北海道の空の玄関口・新千歳空港からほど近く、由仁町のなだらかな丘陵地帯に広がる「ユニ東武ゴルフクラブ」。
ここは、単なるゴルフ場という枠を超え、自然の四元素をテーマにした27ホールの壮大なキャンバスです。
道内でも屈指の美しさと戦略性を誇り、アスリートゴルファーからリゾート派までを魅了してやまないこの名門コースの全貌を、客観的なデータと共に詳しく解説します。
「水の魔術師」小林光昭氏が描いた緻密な戦略性
ユニ東武ゴルフクラブの最大のアイデンティティは、その類まれなる設計思想にあります。
設計を手掛けたのは、日本を代表する名匠であり「水の魔術師」の異名を持つ小林光昭氏です。
小林氏の設計哲学は、水(池やクリーク)を単なるハザードとして配置するのではなく、コースの景観美を高め、かつプレーヤーの心理を揺さぶる戦略的要素として昇華させることにあります。
1993年の開場以来、この27ホールは北海道らしい開放感と、一筋縄ではいかないテクニカルな造形が見事に融合したステージとして、多くのゴルファーに愛され続けています。
性格の異なる3つのコース:水・光・風の競演
コースはそれぞれ9ホールから成る「水」「光」「風」の3つのエリアで構成されており、組み合わせによって全く異なるゴルフの醍醐味を味わえます。
水(Mizu)コース:正確無比なショットを問う
その名の通り、随所に配置された池がプレーヤーの視覚を惑わせます。
特に3番ホールから5番ホールにかけては、水を意識したレイアウトが連続し、正確なキャリーと距離感が求められます。
リスクを取って攻めるか、安全に刻むか、常に「決断」を迫られる構成です。
光(Hikari)コース:北海道のスケールを体感
3コースの中で最も北海道らしい大らかな景観を楽しめるのが光コースです。
視界が広く、ダイナミックなティーショットが楽しめるホールが多い一方で、絶妙に配置されたマウンドやバンカーが、セカンドショット以降の難易度を底上げしています。
風(Kaze)コース:自然の起伏と対峙する
自然の地形を最大限に活かした「風」コースは、アップダウンとアンジュレーションが最も変化に富んでいます。
その日の風向によってクラブ選択が劇的に変わるため、まさに自然との対話が必要な、熟練者好みの9ホールと言えるでしょう。
テクニカル解説:ベント1グリーンとフェアウェイの罠
ユニ東武ゴルフクラブの難易度と品質を支えているのは、細部まで磨き上げられたコースコンディションです。
独創的なアンジュレーション
グリーンは高品質なベントグラスによる1グリーン制を採用。
特筆すべきはそのアンジュレーション(起伏)の激しさです。
多くのグリーンが2段、あるいは3段に設計されており、さらにポテトチップのような複雑なうねりが施されています。
ピンポジションによっては、同じグリーン上でも正確なライン読みと繊細なタッチがなければ、容易に3パットを招く「高速グリーン」の洗礼を受けることになります。
フェアウェイの造形美
一見フラットに見えるフェアウェイにも、小林氏特有の繊細なうねりが存在します。
これにより、ナイスショットに見えても左足下がりや爪先上がりといった「平坦ではないライ」からの次打を強いられることが多く、アイアンショットの技量が試されます。
最先端のカートシステム
最新のGPSナビ搭載カートを導入しており、コンディションが良い日にはフェアウェイへの乗り入れが許可されます。
これにより、北海道の広大な敷地をスムーズに、かつ体力を温存しながらプレーできるのも大きな魅力です。
知的な休息:黒川雅之氏設計のクラブハウスと食
プレーを支える施設面でも、ユニ東武ゴルフクラブは超一流のこだわりを見せています。
建築美を誇るクラブハウス
クラブハウスの設計は、世界的なプロダクトデザイナー・建築家である黒川雅之氏が担当しました。
円形を基調としたモダンなフォルムは、由仁町の牧歌的な風景の中で鮮烈な個性を放ち、プレー前の期待感とプレー後の充実感を高めてくれます。
地域の恵みを味わうレストラン
レストランでは、由仁町近郊の新鮮な食材を活かしたメニューが人気です。
特に北海道ゴルフの定番であるジンギスカンや、ボリューム満点の定食類は、多くのプレーヤーから高い評価を得ています。
美しいコースを眺めながら、北海道ならではの味覚に舌鼓を打つ時間は、至福のひとときです。
ユニ東武ゴルフクラブ 基本情報
| 項目 | 詳細情報 |
| 所在地 | 北海道夕張郡由仁町山形132 |
| 開場日 | 1993年(平成5年)7月1日 |
| 設計者 | 小林 光昭(こばやし みつあき) |
| ホール数 | 27ホール(水・光・風 各9H) |
| コースタイプ | 丘陵コース |
| グリーン芝種 | ベント(1グリーン) |
| コースレート | 72.3(水・風)/ 72.6(風・光)/ 72.5(光・水) |
| アクセス | 新千歳空港より車で約35分 / 札幌中心部より約50分 |
まとめ:五感を研ぎ澄まし、自然の息吹に挑む
ユニ東武ゴルフクラブは、小林光昭氏が仕掛けた知的なトラップと、北海道の豊かな自然が見事に調和した、真にエキサイティングなゴルフ場です。
水のきらめき、降り注ぐ光、そして丘を吹き抜ける風。
これらすべてを味方につけ、27ホールの物語を完結させた時、あなたのゴルフライフには新たな1ページが刻まれることでしょう。
次の北海道遠征では、この「巨匠の傑作」をその肌で感じてみてはいかがでしょうか。
そこには、何度訪れても色褪せない、新たな挑戦が待っています。










