新千歳空港から車で約30分。
北海道千歳市のなだらかな丘陵地帯に広がる「グレート札幌カントリー倶楽部」は、空路で北の大地を訪れるゴルファーを最初に迎え、あるいは旅の掉尾を飾るのに相応しい戦略的コースです。
1977年の開場以来、半世紀近くにわたり愛されてきたこの地は、現在PGM(パシフィックゴルフマネジメント)の運営のもと、高いコースクオリティとホスピタリティを維持し続けています。
本記事では、日本ゴルフ振興設計部が手掛けた歴史的背景から、緻密な計算を要するベントグリーンの特徴、そして北海道ならではの美食にいたるまで、その魅力を客観的な事実に基づいて詳述します。
1977年開場:日本ゴルフ振興が描いた普遍的設計の美学
グレート札幌カントリー倶楽部の設計を手掛けたのは、かつて国内で数多くの「グレート」ブランドを展開した日本ゴルフ振興(設計部)です。
特定の個人設計家による奇をてらった造形ではなく、組織設計ならではの「バランスの取れた美しさと普遍的な戦略性」が本コースの真髄です。
歴史が育んだ重厚な景観
本コースは1977年(昭和52年)7月21日に開場しました。
1970年代後半という、ゴルフが国民的なスポーツとして定着した時代に誕生したこのコースは、北海道の原生林と丘陵地形を巧みに融合させています。
無理な土木工事を最小限に抑え、土地が持つ本来のうねりを活かしたレイアウトは、現代のゴルファーにとっても「自然と対峙する」というゴルフ本来の喜びを再認識させてくれます。
組織設計による卓越したバランス
日本ゴルフ振興が目指したのは、ビギナーには開放感を、アスリートゴルファーには確かな手応えを与えるレイアウトです。
フェアウェイは一見広く取られていますが、要所に配置されたクロスバンカーや、地形の傾斜が「落とし所の限定」という無言のプレッシャーを与えます。
丘陵地の起伏を攻略するテクニカルな造形
コースタイプは、北海道らしいスケール感を備えた丘陵コースに分類されます。
しかし、単に平坦な大地を歩くようなゴルフではありません。
フェアウェイのアンジュレーションとライの変化
本コースの最大の難しさは、フェアウェイに潜む細かなアンジュレーション(起伏)にあります。
一見好ショットに見えても、ボールが止まった地点は「左足上がり」や「つま先下がり」など、複雑なライの変化を伴うことが多いのが特徴です。
正確なミート率と、地形を読み切る経験値がスコアメイクの鍵を握ります。
ベント1グリーンの繊細な攻略
グリーンは、滑らかな転がりを約束するベント1グリーンを採用しています。
- アンジュレーションの難易度:グリーンの面は比較的大きいものの、複雑なマウンドや段が設けられており、ピンポジションに対して「正しい面」に乗せられないと、容易に3パットを招く設計となっています。
- スピードと芝目:PGMによる徹底したメンテナンスにより、通年で安定したスティンプ(速さ)が維持されています。丘陵地特有の、山からの影響を受けた「目に見えにくい傾斜」を読む洞察力も試されます。
記憶に刻まれる名物ホールと北海道の絶景
グレート札幌カントリー倶楽部の18ホールには、それぞれに異なる表情があります。
雄大な景観を望むダウンヒル
特に印象的なのは、高台からティーショットを放つダウンヒルホールです。
眼前に広がる北海道の原野や、遠くに望む樽前山、恵庭岳の雄姿は、プレー中の緊張感を一瞬忘れさせてくれるほどの美しさを誇ります。
視覚的プレッシャーを伴うハザード配置
池が絡むホールや、グリーン周りを深いバンカーがガードするホールでは、設計者が意図した「勇気の試練」が待っています。
特にショートホールにおける風の読みと番手選びは、シングルプレーヤーであっても慎重を期す、戦略性の高いものとなっています。
PGMが提供する高品質なサービスと北の味覚
現在は国内最大級のゴルフ場運営会社であるPGMの傘下にあり、施設管理やレストランのクオリティにおいても高い水準を誇ります。
北海道の味を堪能するレストラン
クラブハウス内のレストランは、ゴルファーからの評価が非常に高いポイントの一つです。
地産地消のメニュー:新鮮な魚介を使用した海鮮丼や、北海道のソウルフードであるジンギスカン、さらには深いコクが特徴の味噌ラーメンなど、プレー後の空腹を満たす充実のラインナップが揃っています。
季節ごとの限定品:旬の食材を活かした季節限定メニューも豊富で、訪れるたびに新しい味覚に出会える楽しみがあります。
圧倒的なアクセシビリティ
新千歳空港から約20分、千歳ICから約15分という立地は、遠征ゴルファーにとって無類の強みです。
空港への近さは、到着日のハーフプレーや最終日の午前スルーといった柔軟なスケジュールを可能にし、滞在時間を最大限にゴルフへと充てることができます。
基本情報
| 項目 | 詳細内容 |
| 所在地 | 北海道千歳市泉郷845-1 |
| 設計者 | 日本ゴルフ振興 |
| 開場日 | 1977年(昭和52年)7月21日 |
| コースタイプ | 丘陵 |
| ホール数 | 18ホール / Par 72 |
| グリーン | ベント1グリーン |
| コースレート | 71.3(バックティー) |
| 運営会社 | PGM(パシフィックゴルフマネジメント) |
| アクセス | 新千歳空港より車で約30分 / 千歳ICより約20分 |
まとめ
グレート札幌カントリー倶楽部は、1977年に日本ゴルフ振興が描いた「自然地形と戦略性の調和」という設計思想を、現代のPGMが高いメンテナンス技術で守り続けているコースです。
空港からほど近い場所にありながら、一歩コースへ踏み出せば、そこには北海道の豊かな四季と、ゴルファーの知性を刺激する丘陵の罠が待ち受けています。
ベント1グリーンの滑らかな転がりに一喜一憂し、プレー後には北の味覚に舌鼓を打つ。
その一連の体験は、旅の思い出として深く刻まれることでしょう。
名門としての風格と、誰をも受け入れる親しみやすさ。その絶妙なバランスを、ぜひ現地で体感してください。







