日本のゴルフツアーに春の訪れを告げる、名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(愛知県)。
第66回中日クラウンズが2026年4月30日(木)〜5月3日(日)の4日間、この伝統の舞台で幕を開けます。
賞金総額1億1,000万円、優勝賞金2,200万円を誇る国内ツアーの古豪であり、ゴルファーたちが一度は「王冠(クラウン)」を戴くことを夢見る大会です。
1960年の第1回以来、66年の歳月を経てもなお、その格式と熱狂は少しも色褪せていません。
大会の歴史と伝統
中日クラウンズの原点は1960年、「中部日本招待全日本アマ・プロ・ゴルフ選手権大会」という名称で産声を上げました。
第7回(1966年)から現在の「中日クラウンズ」に改称。
CBCテレビと中日新聞社が主催し、トヨタ自動車が協賛するこの大会は、日本の民間ゴルフトーナメントの草分け的存在として長年にわたり親しまれてきました。
1961年大会では、優勝副賞に初めてトヨタ・パブリカ(乗用車)が贈られるという画期的な演出が行われ、以来「優勝者にはトヨタ賞」という伝統が今日まで続いています。
第30回(1989年)には賞金総額が1億円に達し、国内ツアーの発展をリードしてきた大会でもあります。
歴代優勝者65人のうち日本人選手が28人で40回の優勝を記録しており、外国人選手の21人・25回を合わせた数字が、国際色豊かな舞台であることを物語っています。
開催地(コース)の特徴と難所
舞台は愛知県が誇る名門・名古屋ゴルフ倶楽部和合コース。
総ヤード6,557ヤード、パー70という設定が、このコースの性格を端的に示しています。
コースレコード58という数字が示す通り、バーディを量産できる開放的な面もある一方で、コースマネジメントを誤ると簡単にスコアを崩す二面性を持ちます。
ホールデータを見ると、アウトはパー35(3,261ヤード)、インはパー35(3,296ヤード)の計パー70。2つのパー3ホールが両サイドに配置され、ロングホールはアウト2番(523ヤード)とイン15番(591ヤード)の2ホールのみです。
全選手が同一条件で臨むワンウェイ方式(1985年から)を採用しており、アウトスタートで18ホールを戦う公平な舞台です。
特に名物ホールとして語り継がれるのが1番(パー4・370ヤード)と2番(パー5・523ヤード)。
過去の大会でアルバトロスが2度生まれているほか(1番で1998年に中嶋常幸、2番で2025年に小西たかのり)、15番の591ヤードパー5は「和合の大砲」とも呼ぶべき距離で、上位争いの行方を左右する重要なホールです。
コースの随所に潜む罠が「和合の魔物」と呼ばれる所以であり、選手たちは毎年、この見えない魔物と格闘します。
今大会の見どころと注目ポイント
第66回の最大の注目は、石川遼と杉浦悠太の一時帰国による国内ツアー今季初参戦です。
公式サイトは「石川遼、杉浦悠太一時帰国で国内ツアー今季初参戦!」と大きく報じており、和合の地で再びその勇姿を見られる期待感は高まるばかり。
石川遼にとって、クラウンズは2010年に18歳7ヵ月で最年少優勝を遂げた特別な舞台です。
その伝説の最終日には世界最少ストロークとなる「58」をたたき出しており、この大会との縁の深さは他の選手の追随を許しません。
石川が再び和合で歴史を刻む可能性も十分あります。
一方の杉浦悠太は愛知県出身のいわば「地元の星」。
「悲願の王冠へ」向けてリベンジを期す姿も、観客の胸を熱くさせます。
また、前回優勝の浅地洋佑も今大会に出場しており、連覇を狙う姿勢に要注目。
さらに15歳の最年少プロゴルファー・加藤金次郎をはじめ、スーパー高校生世代が和合に挑む点も2026年大会の見どころのひとつです。
パー70という設定から、上位陣は最終的に10〜20アンダーの争いになることが多く、バーディを積み重ねながらもボギーをいかに防ぐかが勝負の鍵を握ります。
過去の歴史に刻まれた名勝負・大記録
この大会が持つ最大の記録といえば、やはり2010年の石川遼が叩き出した「18ホール最少スコア58」でしょう。
12バーディ・ノーボギーという完璧なラウンドで、最終日に6打差を逆転して優勝。
これは当時の世界最少ストロークとして記録されました。
アウト9ホールを「28」という驚異的なスコアでまわったラウンドは、今でも語り草です。
最多優勝記録は青木功と尾崎将司が並ぶ「5回」。
青木は1978〜80年の3連覇を含む5勝、尾崎は1995〜97年に同じく3連覇を達成し5勝を積み上げました。
1995年に尾崎が記録した72ホール通算「260」(23バーディ・3ボギー)は大会最少スコアとして今なお破られていない不滅の記録です。
その時の最少パット数は72ホールで96パットというデータも残っており、尾崎のパッティングの神懸かりさを物語っています。
1968年大会では9ホールに及ぶ死闘のプレーオフが繰り広げられ、安田春雄が鈴村久を下して優勝。
1967年には和合コースでジャック・ニクラウス、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレイヤーによる『ビッグ3対抗マッチ』が開催されるなど、このコースは国際的にも高い格式を誇っています。
2025年大会(第65回)では小西たかのりが2番ホールでアルバトロスを達成するという「奇跡の一打」が生まれており、いつどこで歴史が変わるかわからない。それがクラウンズという舞台の醍醐味です。
まとめ
66年という歴史が積み重なる中日クラウンズは、単なるゴルフトーナメントにとどまりません。
青木功、尾崎将司、石川遼といったレジェンドたちが王冠を争い、数々の名勝負と大記録を生んできた「日本ゴルフの記念碑」とも言える大会です。
2026年は石川遼・杉浦悠太の帰還、防衛を目指す浅地洋佑、そして若き挑戦者たちが一堂に会し、名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで4日間の熱戦を繰り広げます。
「和合の魔物」は今年も選手たちを待ち構えているはず。
第66回の王冠は、果たして誰の頭上に輝くのか。4月30日、和合のドラマが幕を開けます。
参照:公式サイト

















